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旅は魂の道連れ

49日も終わらない内に旅行に行く。
良いのだ義父自身がそうしてきてるから何ら問題なし。

毎年旅行先で奥様の誕生祝いをしてきた。
今年は喪失感で気乗りしない奥様に代わりドンドン企画を進める。
シーズン中は1か月前でないと予約は取れないからね。
義父の喜びそうな場所、もし生きていたら今年は一緒に行こうと誘ったであろう場所をチョイス。

決まったのは妙高高原の赤倉観光ホテル。
何でも雲海が見られる場所だそう。
でも現地に着いてからバスの運転手に聞いたら6、7月に数日だけ出現するそうな。
それでもいい、仕事に終われノルマに尻を叩かれ自分自身に鞭を打ち続けることに疲れたから。

人生は劇的に変わってくれない、天国が直ぐに訪れるわけでもない。
気が付くと柔らかい褥に包まれている、それを期待するだけ。

現地では2週間も雨が続きやっと晴れた、そんなとき我々は着いた。

建築的にはどうってことない、日本最古の観光ホテル、。
旧館だけ見るとレトロ感漂う感じ。
ファイル 283-1.jpg
こちら正面、スキー場の下から見上げてる。
右側に少し見えている部分が新館、個室露天風呂がここからも丸見え。

ファイル 283-2.jpg
こちら裏側から旧館を見る、玄関の大きな庇が見えている。
中央に飛び出しているのが〇〇、よう分からん、展望台のつもりか?
国立公園では高さの制限が厳しい、でも物見塔は除外される。
そこで設計者はとりあえず作ってみたのだろう。
これに似たのは富士山の見えるホテル・マウントフジにあった。

ファイル 283-3.jpg
部屋から見える景色はこんな感じ。
足元の水盤の下になだらかに続くスキー場の斜面、その向こうに見える連峰が墨絵のように浮き上がり変化し、雲と共に流れていく。
・・・待てよこの水盤の意味は本来足元を見えなくして水が宙に浮いた感じを演出する為のディテールのはず。

ま景色良ければ全てよし。
久々にテラスに座りっぱなし景色に見とれっぱなし、を楽しむ。

ファイル 283-4.jpg
ロープウェイの発着所から見上げたホテル。歩いて上り下りできるとばかり思っていたのだけれど、高さと距離が・・。
仕方なく毎回シャトルバスのお世話になる。

ファイル 283-5.jpg
部屋の中はこんな感じ、テラスから逆に中を見る。
新館は59㎡と通常の2倍。
おかげでベッドとリビングが別々になる。
ソファも家具もリッチ感たっぷりで良い。大きなソファで久々に自宅のようにくつろげる。
これで完璧かと思われた。
しかし構造的に致命的欠陥をかかえていた。

新館増築時に客室の上に大浴場を載せてしまった!のだ。
これでは天然温泉成分による設備的、構造的劣化がやがて押し寄せる。
だけでなく脱衣室の遮音が十分でなく、部屋によっては夜の12時まで上階の足音がひっきりなしに聞こえる。

2泊目の部屋は女風呂の浴槽の真下、こちらは静か。
防水処理により通常の2倍となったコンクリートが音を遮断してくれる。

この際コスパがどうこうとは言わない。
料理が・・・とも言わない。
リゾート本来の立地条件とは何かを本格的に教えてくれるホテルでした。
雲海はほぼ見えないけれど遠い山並みに掛かる水蒸気の雲が示唆してくれる。

食事ごとにテーブルの上に義父夫婦の写真をそっと立てかけておいた。
山歩きが好きで入院する直前まで高尾山に登っていた義父に二人で話しかける。

きっとこう言う。
あ~なんて気持ちがいいんだ。
これだよこれを見に来たんだ、と。合掌。

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